戦略を練るのはずる賢いことではない

    



昨日、高校2年生の生徒との授業中、 彼女が、絞り出すように打ち明けてくれたこと。 




 「ものすごく頑張っているか?と言われれば、 いや、まだまだ頑張れると思う。

 だけど、頑張っていないわけではない。 さぼっているわけでもない。

 やっていないわけではなくて、毎日、 勉強をしているんです。 

 でも・・・・最近、すごく傷ついたことがあって。」 



私「どうしたの。」



 「・・・解いてみたんです。 今年の大学の共通試験。 今の実力でどのくらいかなって。


 で、国語はやっぱり出来てきていて、 あ、力が伸びているっていう確信できました。

 でも、英語が、自信があったんですよ。


 あったのに、まさか思ったよりも全然点数とれていなくて。 時間も足りなかったし。 

 ああああ、やっているのに、こんだけか。 

 こんだけしか点数とれないのか。と思ったら泣けてきて。

 これじゃ、1年後、志望校に出願できないじゃないか・・・って。」 




 怖いですよね。すごく、わかります。

 やっているのに、これだけ勉強をしているのに、 いざ、志望校の試験を解いてみると、

合格点に達していない。 苦しいですよね。



 勉強をしていなければ、すればいいと思える。 

 でも、やっているのに、「点数に表れない」 これはとても苦しいです。

 でも、このようなことは、どの子にもあります。


 努力は報われないのか! 


 いや、そうではありません。


 でも、自分が望むかたちでの報われ方ではない時もある。 


 人生、思い通りにいかないことがある。 努力しても、かなわないことがある。 


 それだけは、親であろうと、講師であろうと、 


 そして本人であろうと、どうしようもできない「余白の部分」が 人生には存在していて、
 私は、この「余白部分」とうまく向き合い、付き合うことが 大切だと思っています。


 いくら模試でいい判定がでていても、当日体調や、 問題との相性、

ケアレスミスなどで、合格が得られないこともある。 


 共通テストで、志望大学の出願さえ許されないことだってある。 




 あるんです。



 それは仕方がない。 あるもんはあるんだから。 


 だからこそ、「あり得る」ことを想定して、動くことはとても大事です。 


 受験校を決めるときも、そう。 

 学習計画をたてるときも、学習を実際に進めるときも、そう。


 受験の受け方だって、今は数多く存在します。 

 それらを根こそぎリサーチしていますか?


 常に自分の1番願っているものが手に入らいない可能性だってある。


 いや、その可能性は高い。低くはない。


 でも、それが手に入らなかったからといって、立ち止まっていてはいけない。


 そこで立ち止まるか、歩むかで人生は変えられるのだから。


 常に、リスクを考えたうえで、リサーチし、判断すること。

 選択肢を増やしておくことは大事です。


 そのうえで、一番欲しいものを手に入れるために 戦略的に動く、学ぶ、やれることをやりつくす。 でも、もしものためにも備えておく。 


 その生き方は、ずるいんじゃない。 生き抜く逞しさだと、私は思っています。