モンモール数に見る直感の世界
(1)1の帽子をかぶった人、2の帽子をかぶった人、3の帽子をかぶった人が帽子を交換し、自分自身の帽子と違う番号の帽子を被る確率は?
(2)1の帽子をかぶった人、2の帽子をかぶった人、3の帽子をかぶった人、4の帽子をかぶった人、5の帽子をかぶった人が帽子を交換し、自分自身の帽子と違う番号の帽子を被る確率は?
答えはともに約37%です。[(1)は正確には約33%ですが]
これは帽子を被る人数を10人、100人にしても同じです。
こういった直感に反するように感じられる確率の問題を
モンモールの問題、撹乱順列
と言います。
入試問題ではプレゼント交換の問題としても有名ですね。
ちなみに(1)について考えて見ましょう。
1,2,3の帽子をかぶった人を一列に並べてみます。
組み合わせは
(1,2,3)(1,3,2)(2,1,3)(2,3,1)(3,1,2)(3,2,1)の6パターンで
上記の自分自身の帽子以外を被る場合の数は
(2,1,3)(3,1,2)のにパターンになります。
上記を要素3、モンモール数2と表現します。
今回は証明等は省かせていただきますが、値が増加すると以下のような数値遍歴を歩みます。
http://gascon.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/39_7405.html抜粋
Aが要素の数(今回では帽子の数)
Bがモンモール数
Cが組み合わせの数
Dが確率
です。
確かに約37%に収束していくことを実感できるはずです。
さて上記のような直感に反する問題は受験生が苦手とする問題です。
ではそもそも直感とは何か
私は直感とは経験に基づいた感覚であると考えています。
学問において、直感と聞くとどうもあまり聞こえは良くないですよね。
ですが実は直感は経験則に基づいていることが多いのです。
なんとなくと答える生徒を深掘りしていくと"実は以前こういった問題を見た気がする"、"以前やった問題の応用で解ける気がする"そういった答えが返ってくるのです。
故に私は直感とは非常に重要な他所であると考えています。
事実、理系科目、特に数学の確率などは直感が舞台であり、センスのある生徒は演習問題を積まずとも解けてしまいますし、いくら演習してもセンスが伴わなければ解けなかったりします。
センスや直感は生まれつきのものもありますが、正しく良い学習を積んで行けば自ずと磨かれてきます。
問題は直感がうまく機能しない問題に出会ったときにいかに論理的に解答を導き出せるかにあります。
昨今の入試問題は直感がうまく機能しない、真新しい形式が増えてきています。
そういった問題に出会った際にどのように対処するのか。
その処理を作問者は見ているのです。
直感を磨いていきましょう。
ただ直感さえ機能しない問題をしっかり自分で考えていく習慣をつけていきましょう。
Excelsior
0コメント