基礎研究の重要性

ラグビーを始めとする日本代表の活躍が騒がれる日本でまたしても嬉しいニュースが発表されました。


リチウムイオン電池の開発に貢献したとして旭化成名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞に輝きました。



大学入試化学を教えるいち化学に携わる者として

また研究者畑出身の私(今も研究者のようなものですが)としては本当に嬉しく思います。


皆さんもニュースで聞いたことかと思いますが

吉野彰さんらが開発に貢献した"リチウム電池"は身近なスマホなどのデバイスの源であり最新技術を影で支える動力源です。




ノーベル賞の話を聞くたびに基礎研究の重要さを痛感します。


特に研究者に対しあまり扱いのよくない日本

研究として成果の出にくい分野ではなく、実用的で短期で結果が出るような(本当は出なくても出そうに感じる)研究に優先的に投資し

"AI"や"画像認識"、"ワイヤレス電力転送"など流行りの言葉を無理やりねじ込み研究費を捻出する姿は本来の研究のあるべき姿と大きな乖離があります。



基礎研究は現代社会の礎を築いてくれています。

当たり前のように身近にあるデバイスや社会の裏には研究者の方々の並々ならぬ努力があるのです。

もっともっと研究者が評価される社会になって欲しいなと感じます。


レベルの高い中学高校にいけばいくほど

"医学部に行け"

などと謳われますが

本当に頭の良い人々には"理学部"などに行って研究者になって欲しいと授業でも常々伝えています。


基礎研究にもっともっと投資していくようにならなければ難しい問題ですが




基礎研究の重要性は

勉強や入試においても同じことが言えます。


目先の怪しいメソッドや効率性、応用性ばかりではなくもっと本質にある部分を学んでいかなければなりません。


もちろん応用性も大切ですが、基礎と応用のバランスが大切です。

基礎の部分を疎かにしてはなりません。


そして長い目での計画を立てることも大切です。






関西の有名私立高校、東大京大合格者多数輩出の有名な学校ですが、大学入学後の多くの生徒が留年しているという話もあります。



勉強のやり方でなく"有名大学への入り方"を教えていただけなんだな。と悲しくなります。






話は変わりますが、私が指導に当たらせていただいている生徒の中にはご両親が大学で教鞭に当たっている、研究職につかれている方が結構数います。

(私が研究職故にご縁があるのかなと感じたりしています)


その中の一人の親御様から本日連絡をいただきました。


["毎年ノーベル賞発表の時今年もパパじゃなかったね"というと"断っておいたんだよ"というのが我が家の定番です]一部抜粋


素敵ですね。

私にとっては全ての研究者の皆様がノーベル賞級に偉大です。



再度我々の生活を支える多くの研究者の方々がいること。

そして基礎研究の重要さを認識していかなければなりません。


教育も目先の成功ではなく

学問本来のあるべき姿を教えていかなければならないはずです。

そのためにも社会が変わらなければなりません。









最後に吉野彰さんの偉業は賞賛に値するだけでなく

画面越しに伝わる人間としての素晴らしさにも人として魅了されます。

吉野彰さんのような笑顔、周りへの感謝を常に持ちたいなと感じた日でした。


Excelsior